欧州輸出手続き完全ガイド|必要書類・食品規制・リスクと進め方

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はじめに

欧州市場は世界でも有数の巨大な消費市場であり、日本企業にとって輸出の魅力は非常に大きいものです。

しかし、欧州へ輸出を行う際には、日本国内だけでなく欧州連合(EU)が定める多様な規制や基準を遵守する必要があります。
書類準備から通関手続き、関税対応まで、輸出プロセスを誤ると大きな損害につながる可能性があります。

本記事では「欧州輸出手続き」に必要な基本知識を整理し、食品や化粧品など業界別の注意点、リスク回避のポイント、効率的な進め方について解説します。

欧州輸出の整理

1. 通関書類(全品目共通)

商業インボイス(英語):品名・数量・単価・通貨、HSコード、Incoterms®(例:DAP Paris 2025)、支払条件、輸出者/輸入者情報。

パッキングリスト:梱包形態、総重量/容積、ケース明細。

原産地関連:

一般:原産地証明書(CO)(商工会議所等)

EPA/FTA活用時:自己申告(REX番号)または所定様式の原産地申告文。

輸送書類:航空運送状(AWB)または船荷証券(B/L)、保険証券等。

代理通関時は通関委任状を用意。

 

2. 製品別の適合・規制書類(代表例)

CEマーキング対象品(電気・機械・玩具 等):

EU適合宣言(DoC)、技術文書(技術ファイル)、必要な試験報告。

化粧品:

CPNP登録、PIF(製品情報ファイル)、責任者表示、成分表示/アレルゲン表示。

※混合物に該当し表示要件が生じる場合はCLP関連(例:UFIコード)を検討。

食品・農産品:

衛生/検疫証明、(該当時)放射能検査結果、添加物の適合、栄養成分・アレルゲン表示案。

化学品/アルコール含有製品(アロマ・香水 等):

SDS(EU版:REACH/CLP準拠)、危険物申告書(IATA/IMDG)、CLPラベル(ピクトグラム等)。

電子・電気機器:

RoHS、RED、EMC等の適合資料。

包装・EPR対応:

国別のEPR登録(例:フランス包装、ドイツLUCID 等)、Triman/素材識別などの表示設計。

3. 体制・番号(現地で必要となるもの)

輸入者(IOR)の確保、EORI番号およびVAT番号(輸入者側)。

製品により現地責任者(Responsible Person)の選任が必要(例:化粧品、医療機器等)。

4. 表示・言語要件

提出書類は原則英語(または販売国で求められる言語)。

ラベルは販売国の言語で必須情報(原産国、責任者住所、注意書き、ロット等)を表示。多国販売は多言語設計で一貫性を担保。

5. 物流・事前申告(キャリア/フォワーダー連携)

航空・海上の事前貨物情報(例:ICS2等)はフォワーダーが申告するが、正確なHSコードと商品説明の提示は荷主の責務。

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欧州輸出手続きの食品の場合

食品を欧州へ輸出する場合は、一般製品以上に厳格な規制が課されます。

放射能検査証明:日本からの米や農産物では、EUが指定する検査機関で放射能検査を実施し、証明書を添付する必要があります。

アルコール・飲料の規制:アルコール度数や含有成分によって酒税や輸入規制が変わります。ワインや日本酒、焼酎なども対象。

食品添加物の規制:EUは食品添加物に関して「ポジティブリスト方式」を採用しており、EUで認められていない添加物は輸入できません。

パッケージ表示規制:アレルゲン表示、栄養成分表示、リサイクルマーク(Trimanマーク、PAP21等)など、EU規格に沿ったラベルが必要です。

レトルト食品・加工食品:殺菌・保存処理の方法、容器材質、賞味期限表示についても、現地規制や衛生当局の認可が求められます。

食品輸出は単に「品質が良い」だけでは通用せず、科学的な検査データと規制適合性を証明できるかが鍵となります。

欧州輸出手続きのリスク

輸出に際して最大のリスクは、税関でのトラブルです。

サンプルや個人輸入とみなされるケース
企業がサンプル品を送付する際でも、税関でランダムに検査され、法人輸出と同様にSDSや正規書類の提出を求められる場合があります。

税関保管リスク
書類不備や規制違反が疑われた場合、貨物は税関倉庫で留め置かれます。この際、保管料が日割りで課金され、長期化すると大きなコスト負担になります。

最悪のケース:貨物破棄
規制違反が確定した場合や改善が不可能と判断された場合、税関により貨物が破棄されます。これは輸送コストや商品代金の全損につながるため、最も避けるべきリスクです。

輸出の成功は「規制を甘く見ない」ことに尽きます。必要な書類を事前に完備し、万が一の検査にも備える体制が重要です。

欧州輸出手続きの進め方

化粧品やアロマオイル、アルコールを含む製品などは「輸出が難しい」と思われがちですが、正しい手続きと専門業者の活用により輸出可能です。

  • フォワーダーの活用
    欧州向けの本格輸出フェーズに入ったら、一般の宅配業者(EMS、DHL、FedEx)ではなく、国際フォワーダーを利用するのが望ましいです。フォワーダーは通関業務や輸出関連手続きを一括で代行してくれます。

  • 人材リソースの不要化
    自社内に貿易実務の専門人材がいなくても、フォワーダーを通じて必要書類の作成や現地対応を任せることができます。

  • フォワーダー選定のポイント

    • 日本語対応の担当者がいるか

    • 輸入先(欧州)に現地支社やネットワークを持ち、現地対応が可能か

これらを満たすフォワーダーを選べば、香水やアルコール製品の輸送も可能となり、輸出障壁を大きく下げることができます。

ただし、危険物申告書やSDSなど、特別な書類は必ず準備する必要があります。

まとめ

欧州輸出は巨大なビジネスチャンスをもたらす一方で、書類・規制・税制といった複雑な壁を乗り越える必要があります。

CEマーク、SDS、原産地証明書など必須書類を準備する

食品や加工品は放射能検査・添加物規制・表示規制に注意する

税関トラブルを防ぐために正規手続きを怠らない

フォワーダーを活用し、効率的に輸出手続きを進める

関税・VAT・EPR制度を事前に整理する

これらを押さえることで、欧州輸出を安全かつ効果的に進めることができます。

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