今すぐ見直しEU 150ユーロルール変更|小口荷物税とは

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はじめに

欧州へ輸出を行う企業にとって、輸出に関わるコストを正しく把握することは非常に重要です。

商品価格や物流費だけでなく、関税、VAT(付加価値税)、通関手数料、税関で保留になった際の倉庫保管料など、様々な費用が発生する可能性があります。
これらを事前に理解していない場合、想定外のコストが発生し、利益を圧迫する原因になります。

また、欧州企業との取引では、税金や通関費用の負担者を契約書に明確に記載することが重要です。
誰が関税やVATを負担するのか、輸出書類の不備責任は誰かなど整理しておかなければ、取引後にトラブルへ発展する可能性があります。

近年、欧州では越境ECの急増に伴い、小口貨物に関する制度の見直しが進んでいます。

その中でも注目されている制度が「フランス小口荷物税」です。
EU輸出を行う日本企業にとって、今後無視できない制度となる可能性があります。

昨今の欧州関税事情

2019年に日EU・EPA(経済連携協定)が発効したことにより、日本とEUの間では多くの商品で関税が撤廃されました。現在では、多くの製品が関税ゼロで輸出できる環境になっています。

ただし、この関税ゼロはすべてのケースで自動的に適用されるわけではありません。EPAを適用するためには、商品が日本原産であることを証明する必要があります。ここでいう日本とは「日本で製造された製品」であることを意味します。

EPA適用のためには、以下のような要件を満たす必要があります。

・原産地申告の記載
・正しいHSコードの記載
・EU輸入企業のEORI番号
・通関書類の整備

EUでは近年、通関審査が厳格化しており、書類不備によって関税が課税されるケースも増えています。特に越境ECや小口輸送では書類の簡略化が行われることが多く、その結果としてEPAが適用されないケースも見られます。

関税による損失

EPAが適用されなかった場合、通常の関税が課税されることになります。この場合、多くのケースでは輸出企業側の責任と見なされることがあります。

欧州の輸入企業から「書類不備はメーカー側の責任なので負担してほしい」と言われるケースも珍しくありません。
その結果、輸出企業が関税分を負担することになります。

関税は一般的に以下の金額を基準に計算されます。

・商品価格
・国際送料
・貨物保険

これらを合計した金額に対して関税率が適用されます。さらに通関手数料や事務手数料などが追加されるため、実際の負担額は想定より大きくなることがあります。

現在は円安の影響で輸出利益が出やすい状況ですが、関税負担が発生するとその利益が消えてしまう可能性があります。場合によっては利益がゼロ、または赤字になるケースもあります。

フランスの新しい税金制度

近年、EUでは越境ECの拡大に伴い、小口貨物に関する制度改革が議論されています。
その中で注目されているのが「フランス小口荷物税」です。

この措置は、特にSHEIN、AliExpressやTemuなどのプラットフォームを通じた越境電子商取引の増加を規制することを目的としています。

この制度では、EU域外からフランスへ輸入される小口貨物に対して課金が行われます。対象となるのは総額150ユーロ未満の国際貨物です。

さらに特徴的なのが、1つのHSコードごとに2ユーロが課金される仕組みです。

対象となる貨物には以下のようなものが含まれます。

・越境EC商品
・サンプル品
・展示会用製品
・プレゼント品

つまり企業間取引だけでなく、越境ECやマーケティング用途の貨物も対象になります。

またEUでは輸入時にVAT(付加価値税)が課税されます。フランスでは通常約20%のVATが課税されるため、小口荷物税とVATの両方が発生する可能性があります。

日本企業が取るべき対策

フランス小口荷物税のような制度が導入されると、日本企業は輸出や越境ECの運用体制を見直す必要があります。税金や通関費用の取り扱いを曖昧にしたまま販売や取引を行うと、企業間トラブルや消費者クレームにつながる可能性があります。

まず重要なのは、取引条件を明確にすることです。企業間取引ではインコタームズを使用し、関税、VAT、通関費用、小口荷物税などの負担者を契約書に明確に記載する必要があります。

また、取引先への制度共有も重要です。フランス小口荷物税のような制度では、輸入時に追加費用が発生する可能性があります。そのため、現地ディストリビューターや輸入企業に対して制度内容を共有し、誰が費用を負担するのかを事前に確認しておく必要があります。

越境ECを行う企業の場合は、ECサイトの表示内容の見直しも必要になります。EUでは輸入時にVAT(付加価値税)が課税されるため、消費者は商品受け取り時に税金を支払うケースがあります。

そのためECサイトでは以下を明確に記載する必要があります。

・輸入時に発生するVAT
・関税の有無
・通関手数料
・小口荷物税など追加費用

特に日本企業が越境ECを運営する場合、特定商取引法に基づく表示において海外配送時に発生する税金や通関費用を明確に記載する必要があります。

さらに企業間取引では、契約書において税金負担の責務を明確に締結することが不可欠です。

欧州輸出では税制度や通関制度が頻繁に変更されるため、企業は

・ECサイトの更新
・契約書の整備
・輸出書類の確認

などを定期的に見直す体制を整えることが重要です。

Swapsssができること

Swapsssでは、日本企業の欧州市場進出を支援するため、EU輸出に関する実務サポートを提供しています。

主な支援内容は以下の通りです。

・EU輸出規制の調査
・VATや税制度の整理
・輸出書類の確認および作成支援
・欧州規制のギャップ分析
・EU市場進出サポート

EU輸出では、関税だけでなくVAT、通関制度、規制対応など複数の制度が関係します。専門知識を持つパートナーと連携することで、輸出リスクを最小限に抑えることが可能になります。

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まとめ

EU輸出では、関税、VAT、通関手続きなど複数の制度を理解することが重要です。日EU・EPAにより多くの商品で関税はゼロになりましたが、書類不備や制度理解不足によって追加コストが発生するケースもあります。

さらに近年は越境ECの拡大に伴い、小口貨物に関する制度改革が進んでいます。フランス小口荷物税のような制度は、今後EU全体の政策にも影響する可能性があります。

日本企業が欧州市場で安定してビジネスを行うためには、税制度と通関ルールを正しく理解し、契約書、ECサイト表示、輸出書類などの運用体制を整えることが不可欠です。制度変更に対応できる体制を整えることが、欧州市場でのリスク回避と安定した輸出ビジネスにつながります。

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