PFAS法と欧州規制の対策について

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はじめに

近年、環境規制の強化に伴い「PFAS法」という言葉が注目を集めています。
PFAS(ペルフルオロアルキル化合物)は撥水性・耐油性・耐熱性に優れた人工化学物質で、包装材、調理器具、繊維製品、化粧品など幅広い分野で使用されてきました。
しかし「環境中で分解されにくい」「人体に蓄積する可能性がある」といったリスクから、欧州では世界的に最も厳格なPFAS規制(PFAS法)が導入されつつあります。
日本企業が欧州市場へ製品を輸出・販売する際、このPFAS法を理解し、事前に対応を取らなければ大きなリスクに直面します。

本記事では、PFAS法の概要と対象業種、欧州規制の現状、そして企業が進出前に取るべき対策について解説します。

PFAS法の対象企業

PFAS法は一部の化学メーカーだけでなく、幅広い業界に影響を及ぼします。

  • 食品業界:食品包装材(紙コップ、ファストフード用包装紙、ピザボックス等)

  • アパレル業界:防水加工衣料、防汚加工テキスタイル、レザー製品

  • 化粧品業界:撥水性・耐久性を高めたファンデーション、マスカラ、日焼け止めなど

  • 自動車・電子業界:耐熱部品、特殊コーティング剤、半導体製造資材

  • 消防・建設業界:泡消火剤、防水建材、コーティング剤

これらの業種では、サプライチェーンの中にPFASが潜在的に含まれているケースが多いため、輸入者や販売者も規制の対象となる可能性があります。

つまり「自社がPFASを直接製造していないから大丈夫」とは言えず、欧州市場に関わる全ての事業者に注意が必要です。

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欧州のPFAS法について

欧州連合(EU)では、化学物質を包括的に規制する REACH規則 に基づき、2023年に「PFAS包括制限提案」が提出されました。この提案は、約1万種類のPFASを原則禁止とするもので、世界でも前例のない規模の規制です。

  • 対象範囲:すべてのPFAS(定義に該当する物質を包括的にカバー)
  • 規制方法:製造、販売、使用を原則禁止(必須用途のみ例外許可)
  • 採択時期:2025〜2026年頃に正式決定予定
  • 移行期間:用途によって 18か月〜最大12年の猶予が検討

特に注目すべきは、「製品に意図的にPFASが含まれる場合」だけでなく、「不純物や副生成物として混入している場合」も規制対象になるという点です。そのため、欧州向けの化粧品や食品包装材はもちろん、輸送資材や部品に至るまで確認が必要です。

欧州進出前に必要なPFAS法対策

欧州市場へ進出する日本企業は、事前の準備が不可欠です。以下のような対策が求められます。

  1. 原材料の徹底調査
    サプライヤーから「PFAS不使用証明」やSDS(安全データシート)を取得し、不明確な場合は第三者機関で成分分析を実施する。

  2. 代替素材の検討
    防水・撥水加工品やコーティング製品では、PFASフリー素材を積極的に採用する。欧州市場で既に流通しているPFAS代替製品を参考にすることが有効。

  3. 書類・ラベリング対応
    欧州ではPFAS規制と併せて、EPR(拡大生産者責任制度)や包装リサイクル表示との連動も進む。輸出前に必要な表示や書類(適合宣言書、製品情報ファイル等)を準備する。

  4. 現地責任者の設置
    化粧品や化学製品の場合、EU域内に「責任者(EU Responsible Person)」を置くことが必須。規制対応の窓口を確保することが欧州進出の第一歩となる。

こうした対策は単なる法令遵守にとどまらず、持続可能性を重視する欧州市場で信頼を獲得する上でも重要です。

PFAS法を怠った場合

もし企業がPFAS法への対応を怠った場合、次のような深刻なリスクに直面します。

  • 輸入差し止めや販売禁止
    欧州の港での通関が拒否され、製品が市場に流通できなくなる。

  • 罰金・行政制裁
    各加盟国での罰則は異なるが、数万〜数十万ユーロの罰金が科される可能性あり。

  • ブランドイメージの毀損
    環境意識の高い欧州市場で「規制違反企業」というレッテルが貼られ、取引先や消費者から信頼を失う。

  • 法的リスク
    消費者保護団体や環境団体による訴訟、リコール費用の発生。

このように、PFAS法を軽視することは単なる法令違反にとどまらず、企業の事業継続そのものに影響を与えます。

欧州としては今後規制の強化傾向

欧州はPFASに限らず、環境・健康に関する化学物質規制を強化し続けています。

  • グリーンディール政策に基づき、環境負荷低減を目的とした化学物質規制は加速。

  • マイクロプラスチック規制など、PFAS以外の物質にも同様の包括禁止アプローチが拡大中。

  • 消費者や小売業者も「PFASフリー」表示を重視する傾向が強まっており、規制だけでなく市場からの圧力も増しています。

つまり、PFAS法は一過性の規制ではなく、欧州が掲げるサステナブル経済への移行の象徴的政策です。企業は今後さらに強まる規制の波を見据えて、中長期的な対応戦略を構築する必要があります。

まとめ

「PFAS法 欧州」とは、欧州連合がREACH規則に基づき導入を進めているPFAS包括規制を指します。食品包装、アパレル、化粧品、自動車部品など、あらゆる業界に影響が及ぶ見込みです。

欧州進出を目指す日本企業は、原材料調査、代替素材の導入、必要書類の整備、EU責任者の設置といった対応を早急に進めるべきです。怠れば、輸出差し止め、罰金、ブランド毀損といった深刻なリスクに直面します。

一方で、PFAS法対応を先行することは「環境対応企業」としての評価を高め、欧州市場での競争優位性につながります。規制をリスクとして捉えるだけでなく、ビジネスチャンスとして活かす視点が求められます。

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