はじめに
EU化粧品規則への対応を完了し、CPNP通知、PIF・CPSRの整備まで終えている製品でも、フランスでそのまま販売を継続できるとは限りません。
欧州の化粧品規制は一度対応すれば終わりではなく、継続的に更新されます。さらに見落としやすいのが、EU共通規制とは別に各国で施行されるローカル法です。
その代表的な例が、フランスで2026年1月1日から施行されたPFAS規制です。
フランスではPFASを含む化粧品について、製造・輸入・輸出・市場投入を原則禁止する規制がすでに施行されています。
つまり、「EU化粧品規制対応済み=フランスでも現在の規制に適合している」とは限りません。
PFASとは?化粧品にも関係する有機フッ素化合物
PFAS(Per- and Polyfluoroalkyl Substances)は、多数の有機フッ素化合物を含む物質群です。
化粧品においても、耐水性、皮膜形成、使用感などを目的とした原料にPFASが関係する場合があります。
特に、メイクアップ製品、アイメイク、ファンデーション、パウダー、日焼け止め、スキンケア、ヘアケアなど、幅広い化粧品で確認が必要になる可能性があります。
問題は、完成品のINCIリストだけを確認して判断できるとは限らないことです。
原料メーカーやOEMから提供される情報、その原料の組成や由来など、より上流の情報確認が必要になるケースがあります。
EUのPFAS規制とフランスのPFAS規制は別に確認が必要
PFASについてはEUレベルでもREACHを中心に規制強化が進められています。
一方、フランスはEU全体の包括的なPFAS規制に先行し、独自の国内法による規制を導入しました。
フランス環境法典Article L.524-1では、2026年1月1日からPFASを含むすべての化粧品を原則として禁止対象としています。一定の残留濃度以下については例外が設けられています。
ここで重要なのは、CPNP通知やPIF・CPSRを作成した時点では問題がなかった製品でも、その後に施行されたローカル規制への追加確認が必要になる場合があるという点です。
欧州規制対応を数年前に完了し、そのまま販売を継続している製品ほど注意が必要です。
EUのPFAS規制とフランスのPFAS規制は別に確認が必要
「CPNP登録済みだから問題ない」
「CPSRで安全性評価を受けている」
「原料はEU化粧品規則に適合している」
こうした状態でも、フランスPFAS規制への適合確認が完了しているとは限りません。
特に、フランス独自規制の施行前から販売している製品、長期間同じPIFを使用している製品、OEM・原料メーカーから取得した過去の規制資料を継続使用している製品では、現在の規制とのギャップが生じる可能性があります。
欧州ではEU共通規制だけでなく、販売国独自の規制動向まで継続的に確認することが重要です。
PFAS化粧品規制で企業が直面する問題
実際のPFAS対応では、単純に「PFASを使用していますか?」と製造元へ確認するだけでは判断できない場合があります。
例えば、
- 製造元でもPFAS該当性を判断できない
- 原料メーカーから十分な情報が得られない
- 「意図的に添加していない」という回答しか取得できない
- PFASフリー証明書を発行してもらえない
- 分析が必要なのか判断できない
- 何を分析対象とすべきか分からない
- 取得した資料だけでフランス法への適合根拠になるのか分からない
といった問題があります。
さらにフランス法では、単純な「意図的使用の有無」だけではなく、一定の残留濃度を基準とする仕組みも設けられています。
そのため、メーカーや原料会社から「PFASは意図的に使用していません」と回答を得ただけで対応を終了してよいとは限りません。
ここが、PFAS対応の判断を難しくしているポイントです。
PFASをどう確認すればよいのか
PFAS対応では、まず現在保有している成分情報、原料情報、サプライヤー資料などから、どこまでPFASについて確認できているのかを整理することが重要です。
その結果によって、追加のサプライヤー確認が必要なのか、分析まで必要なのか、あるいは既存資料で根拠を構築できるのかが変わります。
特に製造元から「分からない」「証明できない」と回答された場合でも、それだけで直ちに販売不可と判断するものではありません。
一方で、闇雲にPFAS分析を実施すれば解決するとも限りません。
製品・原料・取得済み資料の状況に応じて、必要な確認方法を判断することが重要です。
具体的な確認方法や分析内容については、製品ごとに異なるため専門的な確認が必要になります。
PFASの確認は、結果を取得して終了ではありません。
フランスで販売する製品として、何を確認したのか、どの資料を根拠としたのかを説明できる状態にしておくことが重要です。
また、原料変更、処方変更、サプライヤー変更、規制改正などによって、過去の確認結果がそのまま使用できなくなる場合もあります。
EU化粧品規制対応と同様、PFASについても継続的な管理が必要です。
Swapsssが支援できるフランスPFAS化粧品規制対応
Swapsssでは、すでにEU化粧品規制対応を完了している製品についても、フランスPFAS規制への追加対応を支援しています。
PFAS該当確認
現在保有している成分・原料・サプライヤー情報を確認し、フランスPFAS規制について追加確認が必要か整理します。
必要な試験内容の整理
書面だけでは判断できない場合、製品や取得済み資料の状況を踏まえ、必要となる試験・分析内容を整理します。
PFAS関連宣言書の作成
メーカー、OEM、原料メーカー等から取得した情報や確認結果をもとに、欧州で使用するPFAS関連宣言書の作成を支援します。
単に「PFASフリー証明書を作る」のではなく、現在取得できている根拠に応じた適切な書面化を行うことが重要です。
まとめ
EU化粧品規制への対応を完了していても、それが将来にわたってフランスを含むすべてのEU加盟国での適合を保証するものではありません。
フランスでは2026年1月1日から化粧品を対象としたPFAS規制がすでに施行されています。
特に、規制施行前からフランスで販売している既存製品は、PFASについて改めて確認することが重要です。
Swapsssでは、PFAS該当確認から必要な試験内容の整理、関連宣言書の作成まで、既存のEU化粧品規制対応状況に合わせて支援しています。