EPR制度とは|EU包装規制(PPWR)との関係と企業対応

EUのEPR制度とPPWRの関係、対象範囲と企業対応を実務ベースで解説

EPR制度とは何か

EPR制度とは、Extended Producer Responsibility(拡大生産者責任)の略で、製品の製造・販売事業者が、使用後の回収・リサイクルまで責任を負う仕組みです。

EUでは、包装材をはじめとする多くの製品に対してEPR制度が導入されており、企業は販売量に応じて回収・リサイクル費用を負担する必要があります。
各国ごとに登録や報告義務があり、適切に対応しなければ販売ができないケースもあります。

フランス、ドイツ、スペインなどではすでに厳格な運用が行われており、今後はEU全体で統一的な規制(PPWR)により、さらに強化される見込みです。

欧州進出において、EPR制度は単なる環境対応ではなく、「販売の前提条件」となる重要な規制です。

EUにおけるEPR制度の対象範囲

EUにおけるEPR制度の対象範囲は広く、主に「包装材」を中心に複数の製品カテゴリーに適用されます。

特に重要なのは、商品そのものではなく「包装材(パッケージ)」が対象となる点です。プラスチック、紙(PAP)、ガラス(GL)、アルミ(ALU)など、すべての包装材が対象となり、輸入品であってもEU域内で販売する場合はEPR対応が必要です。

また、国ごとに制度が分かれているため、フランス(CITEO)、ドイツ(LUCID+デュアルシステム)、スペイン(Registro+PRO)など、それぞれの国で登録・報告が求められます。

つまり、EU進出企業は「どの国で販売するか」に応じて、複数のEPR対応が必要となる点が実務上のポイントです。

PPWRとは何か

PPWRとは、Packaging and Packaging Waste Regulation(包装および包装廃棄物規則)の略で、EU全体で包装材の使用・リサイクル・削減を統一的に規制する新たな法規制です。

従来のEPR制度が各国ごとに運用されていたのに対し、PPWRはEU全体で共通ルールを適用し、包装材のリサイクル率向上や使用量削減を目的としています。

具体的には、リサイクル可能な包装材の義務化、過剰包装の制限、再利用要件の導入などが検討されており、企業に対してより厳格な対応が求められます。

EPRが「費用負担・登録」の制度であるのに対し、PPWRは「設計・使用・流通」まで踏み込む規制であり、今後の欧州進出においては両方をセットで理解することが重要です。

なぜ今EPR対応が必要なのか

なぜ今EPR対応が必要なのかというと、EUにおいてEPR制度がすでに「販売の前提条件」になっているためです。

フランスやドイツ、スペインなどでは、EPR登録が完了していない場合、販売自体ができない、またはECプラットフォーム上で出品停止となるケースがあります。
近年は監視が強化されており、未登録企業への対応も厳格化しています。

さらに、各国ごとに報告義務や費用負担が発生するため、後から対応する場合は時間・コストともに大きな負担となります。

加えて、EU全体でPPWRによる規制強化が進んでおり、今後は包装設計や表示まで含めた対応が求められる見込みです。

欧州進出を進める企業にとって、EPR対応は「後から考えるもの」ではなく、「事前に整えるべき必須条件」です。

自社製品はEPR対象か

自社製品がEPR対象かどうかは、「EU域内で販売するか」と「包装材を使用しているか」で判断されます。

基本的に、EUで商品を販売する場合、その商品に付随するすべての包装材(外箱、内袋、ラベルなど)がEPRの対象となります。
つまり、商品そのものではなく、「包装」が対象になる点が重要です。

また、EU域外から輸出する企業であっても、現地にインポーターがいない場合は、自社がEPR義務者とみなされるケースもあります。

さらに、販売チャネル(EC・代理店・小売)によっても責任主体が変わるため、自社がどの立場になるかを整理する必要があります。

フランス進出企業にとっては、「販売しているか」ではなく「市場に出しているか」が判断基準となるため、事前の確認が不可欠です。

未対応のリスク

EPRに未対応の場合、販売停止や罰則といった直接的なリスクがあります。

まず、フランスやドイツなどでは、EPR登録が完了していない企業は商品販売が認められず、ECプラットフォーム上で出品停止となるケースがあります。
実際にAmazon.fr、Amazon.de、Chrono24などでは、登録番号の提出が求められることもあります。

また、未登録のまま販売を行った場合、各国当局から罰金や是正命令が出される可能性があります。さらに、取引先やディストリビューターから取引停止を求められるケースもあります。

加えて、報告義務や費用負担を後からまとめて対応することになり、想定以上のコストや工数が発生するリスクもあります。

EPR未対応は単なる規制違反ではなく、「販売継続ができなくなるリスク」である点が重要です。

EPR対応の方法

EPR対応の方法は、「登録」「契約」「報告」の3ステップで進めます。

まず、販売する国ごとにEPRの登録を行います。フランスであればCITEO、ドイツであればLUCID登録など、各国ごとに専用のプラットフォームでアカウントを作成し、事業者情報を登録します。

次に、リサイクル団体(PRO:Producer Responsibility Organization)と契約を締結します。これにより、包装材の回収・リサイクルに関する費用負担や実務を委託します。

その後、販売量に応じた包装材データ(素材・重量など)を定期的に報告し、対応する費用を支払います。
報告頻度は国や契約内容により異なりますが、年次または四半期での対応が一般的です。

EPR対応では、各国ごとの制度差や報告要件を踏まえた「継続運用」が重要となるため、事前の設計がポイントとなります。

日本企業が直面する課題

EPR対応において、日本企業は主に「制度理解」「データ管理」「体制構築」の3つの課題に直面します。

まず制度面では、EUは国ごとにEPRの運用が異なるため、フランス、ドイツ、スペインなど複数国で販売する場合、それぞれ別の登録・報告が必要となります。
この複雑さが対応遅れの原因となるケースが多く見られます。

次にデータ面では、包装材の素材や重量を正確に把握・管理する必要がありますが、日本側でその情報が整理されていないケースも多く、初期対応の負担が大きくなります。

さらに体制面では、現地対応の責任者不在や、日本本社との役割分担が不明確なまま進めてしまい、運用が回らないケースもあります。

EPR対応は単発の登録作業ではなく、「継続的な運用」が前提となるため、初期段階での設計が重要です。

What Swapsss can do for you

EPR対応において、Swapsssは制度理解から登録・運用まで一貫して支援します。

・自社製品のEPR対象可否の診断(国・販売チャネルごとの整理)
・メーカー/インポーター等の責務整理(責任主体の明確化)
・対応国ごとの登録要件の整理(フランス、ドイツ、スペイン等)
・EPRアカウント取得支援(CITEO、LUCID等)
・リサイクル団体(PRO)選定・契約支援
・契約書作成支援(責任分担・リスク整理)
・包装材データの整理(素材・重量の分類設計)
・報告フローの構築(年次・四半期対応)
・年間管理フォーマットの作成(報告・費用管理の仕組み化)
・日本本社と現地の役割分担設計
・運用サポート(更新・報告・問い合わせ対応)

※費用算出や会計処理などの専門領域は、提携パートナーと連携して対応します。

単なる登録代行ではなく、「継続運用できる体制構築」まで支援します。

まとめ
EPR・PPWR対応のポイント

EPR・PPWR対応は、欧州で製品を販売するための前提条件となる重要な規制です。

EPRは各国ごとに登録・報告・費用負担が求められる制度であり、すでに販売に直結する義務として運用されています。
一方、PPWRはEU全体で包装材の設計・使用・リサイクル要件を統一する規制であり、今後さらに対応範囲が拡大していきます。

重要なのは、「自社が対象かを正しく把握すること」「責任主体(メーカー・インポーター)を明確にすること」「各国ごとの対応と継続運用を設計すること」です。

欧州進出においては、EPRとPPWRをセットで理解し、事前に対応体制を整えることが、安定した販売の鍵となります。

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