REACHとの違いは?CLP規制の対象製品・義務・ラベル表示

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はじめに

EU市場で化学品を取り扱う企業にとって、避けて通れないのが「CLP規制」です。
製造者・輸入者・販売者のいずれであっても、製品が化学物質や混合物である限り、その危険性を正しく分類し、ラベルと包装で明確に表示する義務があります。

このCLP規制は、しばしば「REACH規制」と混同されますが、目的も役割も異なります。
REACHは化学物質そのものの登録と安全性データ管理を定める法律、CLPはその危険性をユーザーに伝えるためのラベル・分類法を定める法律です。

本記事では、「CLP規制とは何か」から始め、対象製品、UFIコードの重要性、そして日本企業がEU輸出時に注意すべきポイントまで、わかりやすく解説します。

CLP規制の定義

CLP規制と「Classification, Labelling and Packaging Regulation」の略称で、正式名称は Regulation (EC) No 1272/2008

化学物質および混合物の危険性を分類し、ラベル表示と包装を義務付けるEUの法律です。

この規制の目的は、

  1. 化学品の危険性をEU域内で統一した基準で伝えること

  2. 労働者・消費者・環境を化学的リスクから保護すること

つまり、CLP規制は「化学品の安全ラベル法」です。

CLP規制の対象

CLP規制の対象は非常に広く、
EU市場に供給(販売・輸入・流通)されるすべての化学物質および混合物が含まれます。

ただし、いくつかの例外があります。
医薬品、化粧品、食品、医療機器などは、それぞれ別のEU法で管理されており、
CLP規制の適用外です(ただし原料レベルではCLP分類が必要)。

区分CLPの対象理由
化学物質・混合物対象単体または混合された化学品そのもの
完成品で化学作用を持つもの(香水・洗剤など)対象可燃性・刺激性を持つ化学混合物
完成品だが化学物質を封入しているもの(スプレー缶・電池など)間接対象中身の化学物質がCLP分類対象
化学品を放出しない成形品(衣類・家具など)対象外化学反応を伴わない物理的製品
医薬品・食品・化粧品(完成品)対象外特別法で管理される(原料は対象)

CLP規制の対象具体例

CLPの対象になる代表的な製品は次のとおりです。

  • 香水・アロマオイル:可燃性・皮膚刺激・アレルゲン性あり

  • 洗剤・漂白剤・消毒液:腐食性・毒性の可能性

  • 塗料・接着剤・溶剤:揮発性・可燃性物質を含む

  • スプレー缶(化粧品・塗料・消臭剤など):圧縮ガスがCLP対象

  • 燃料・潤滑油・クーラント液:化学的危険を有する混合物

  • 電池やプリンターカートリッジ:中身の電解液やインクがCLP分類対象

逆に、家具・衣類・文房具などの非化学的成形品は対象外。
ただし、製造時に使う塗料やコーティング剤などの化学物質は対象になります。

CLP規制とUFIコードの重要性

CLP規制を正しく理解するうえで欠かせないのが、UFIコード(Unique Formula Identifier:ユニーク製品識別コード)です。

UFIコードとは?

UFIコードとは、混合物ごとに固有の16桁の英数字コードで、製品とその成分組成をEU毒物センター(PCN:Poison Centre Notification)で照合するために用いられます。

このコードは、誤飲・誤使用などの事故時に医療対応を迅速化する目的で導入されました。
たとえば、洗剤や香水などの化学混合物が体内に入った場合、救急医療機関がUFIコードをもとに正確な成分情報を即座に把握できます。

UFIコードが必要な製品

CLP規制において、UFIコードが義務となるのは「混合物」です。
つまり、以下のような製品カテゴリが対象です

  • 洗剤、消毒液、漂白剤などの家庭用化学品

  • 香水、ルームフレグランス、アロマオイルなどの可燃性混合物

  • 塗料、接着剤、インク、潤滑油などの工業用混合物

  • スプレー缶、エアゾール製品など

UFIコードは、ラベル上に次のように記載しますREACHとの関係

REACH規制は「化学物質を登録・管理」する法律、CLPとUFIは「その危険性と構成を表示・追跡」する仕組みです。

つまり、REACHで登録した化学物質の情報がCLPやUFIで可視化されるという関係です。
両者は独立した制度ですが、EU市場ではセットでの運用が必須です。

CLP規制でSwapsssができること

Swapsssでは、EU域内で製品を流通させる日本企業に向けて、CLP規制およびUFIコード対応の総合サポートを提供しています。

1. ファクトチェック(分類・表示内容の精査)

製品の成分情報をもとに、CLP分類(可燃性、腐食性、毒性など)をEU基準で確認。
ピクトグラム、警告文(H文・P文)、注意表示が正しいかを審査します。

2. 書類作成・翻訳支援

  • SDS(安全データシート)の英仏独語対応

  • UFIコードおよびPCN通知書類の作成代行

  • CLPラベル案の作成(多言語対応)

監査や税関対応でもそのまま使える実務文書を整備します。

3. 輸出前対応・販売サポート

EU輸出前に、

  • 製品がCLP/UFI対象かのスクリーニング

  • REACH登録・PCN通知の連携サポート

  • 現地責任者情報の表示確認
    まで一括で支援します。

Swapsssは、CLP・REACH・PPWR・EPRなどEU横断規制を包括的に理解しており、
日本企業の製品カテゴリーごとに最適な対応策を提案します。

まとめ

CLP規制は、化学品の危険性を可視化し、安全に流通させるためのEU共通ルールです。
そしてUFIコードは、その製品の中身の特定と緊急対応」を可能にする鍵です。

EUで化学品・化粧品・香料などを販売する場合、CLP分類・ラベル表示・UFI通知の3点は欠かせない基本対応です。

Swapsssでは、これらを日本語・英語・フランス語で一元管理し、日本企業がEUで安心して製品を販売できるようサポートしています。

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