玩具、おもちゃの欧州規制について

欧州市場で玩具を販売する際、安全規制の遵守が必須となります。特に、子どもの安全を確保するために、適切な年齢警告ロゴ(Age Warning Logo)の表示が求められています。これに加えて、欧州の玩具安全基準(EN 71)に準拠し、適切な認証を取得することが不可欠です。本記事では、欧州の玩具安全基準の概要、対象商品、STマークとの違い、さらには申請方法について詳しく解説します。

欧州の玩具安全基準とは

欧州連合(EU)では、玩具の安全性を保証するために「玩具安全指令(2009/48/EC)」が制定されています。この指令に基づき、欧州市場で販売される玩具は、EN 71規格を満たす必要があります。EN 71規格は以下の要素を含んでいます。

  • EN 71-1:機械的および物理的特性の要件
  • EN 71-2:可燃性に関する要件
  • EN 71-3:特定有害元素の移行(重金属規制)
  • EN 71-4~EN 71-13:化学物質、電気特性、衛生、放射線安全性などに関する要件

さらに、年齢警告ロゴの適切な表示が義務付けられており、これによって玩具が適切な年齢層向けであることを明示することが求められます。

対象商品

欧州の玩具安全基準は、以下の製品に適用されます。

  • 乳幼児向け玩具(ガラガラ、ぬいぐるみ)
  • 電子玩具(光るおもちゃ、音が出るおもちゃ)
  • 知育玩具(パズル、ブロック)
  • アクションフィギュアやドール
  • スポーツ関連の玩具(スクーター、三輪車)
  • ボードゲームやカードゲーム

ただし、装飾品やコレクション用のフィギュア、教育目的の実験キットなど、明確に「玩具」とは見なされない商品もあるため、事前に対象範囲を確認することが重要です。

STマークとの違い

欧州の玩具安全基準は、以下の製品に適用されます。

  • 乳幼児向け玩具(ガラガラ、ぬいぐるみ)
  • 電子玩具(光るおもちゃ、音が出るおもちゃ)
  • 知育玩具(パズル、ブロック)
  • アクションフィギュアやドール
  • スポーツ関連の玩具(スクーター、三輪車)
  • ボードゲームやカードゲーム

ただし、装飾品やコレクション用のフィギュア、教育目的の実験キットなど、明確に「玩具」とは見なされない商品もあるため、事前に対象範囲を確認することが重要です。

比較項目STマーク年齢警告ロゴ
認証主体一般社団法人日本玩具協会欧州連合(EU)
法的義務任意(推奨)義務
適用規格ST基準(日本)EN 71規格(欧州)
対象地域日本国内欧州全域
取得方法日本玩具協会による試験・認証適切な年齢ロゴの貼付

欧州の年齢警告ロゴの申請方法

欧州市場で玩具を販売するためには、年齢警告ロゴを適切に表示し、EN 71規格を満たす必要があります。申請の流れは以下の通りです。

製品の安全試験:EN 71規格に基づき、第三者試験機関(Notified Body)または社内で試験を実施する。

技術文書の作成:製品の設計、製造プロセス、試験結果、安全性評価などの書類を準備。

適合宣言(DoC):玩具がEU基準を満たしていることを証明する適合宣言書を作成。

年齢警告ロゴの貼付:対象年齢を示すロゴを玩具やパッケージに表示。

マーケットモニタリング:販売後も製品の安全性を継続的に管理。

申請の為の条件

年齢警告ロゴを適切に表示するためには、以下の条件を満たす必要があります。

製品がEN 71規格に準拠していること

有害物質(鉛、フタル酸エステルなど)を含まないこと

適切な年齢警告ロゴが表示されていること

技術文書と適合宣言書を5年間保管すること

EU内の責任者(EU担当者)を指定すること

まとめ

欧州市場で玩具を販売するには、適切な年齢警告ロゴの表示が必須であり、これは子どもの安全を守るための重要な要件です。EN 71規格に準拠し、年齢ごとの適切な警告表示を行うことで、消費者に対して安全性を保証できます。また、日本のSTマークとは異なり、欧州の安全基準に従った適合宣言と文書管理が求められます。申請プロセスでは、安全試験の実施、技術文書の準備、適合宣言の作成が必要となり、販売後もモニタリングを続けることが重要です。

適切な年齢警告ロゴの表示は、企業が欧州市場で信頼を得るために欠かせません。販売者は法的義務を理解し、玩具の安全性を確保することで、より多くの消費者に安心して製品を提供できるようになります。